美青年黙示録

ニコニコ動画で半生を彩られた人生を送る。享年25。男の娘。好きなものは美青年、例のアレランキング、音楽。 フリーランス生活が孤独すぎて鍵垢からのそのそと這い出ブログを始める。 よろしくお願いします。

君はもうはにうを知っているか?

はにうについて、みなさんご存知だろうか。

そう、あの。

あのはにうである。

 


私は美青年が好きである。(美青年概論なるものを発表したくらい)


私とはにうとの出会いは、かの震災が起こって1年経った年だった。それはもう運命的で、しかし私以外にも同じような体験をした日本人が沢山いるだろう。


私はいつものように(草)ニコニコ動画を見ていた。暇な春休み。ソワソワと心の落ち着かなかった1年前を思い出し、ああもう一年かあなどと思いながら。

私は電気を消し暗い部屋の中ぼーっとニコニコ動画のランキングをスクロールしていた。


ニコニコ動画はコメントが流れると言う性質上いつも皆にわかりやすいネタの笑える動画がトップに来やすいが、その日はなにやら真面目そうなスポーツ動画がトップに来ていた。うーん、あんまし興味ないなあ。そう思って無視して最後までスクロールした。いくつか動画を開いたが、学校も休みで連日ニコニコ動画のヘビーユーザーだった私にはどれも真新しさがなくなんだか物足りない。

なんとなくトップにもどり、なんとなく先程のスポーツ動画を開いた。


私は美青年が好きだった。ルルーシュが死んでからと言うもの、美青年の幻影を見、美青年のケツを追いかけて生きてきた日々だった。


"はにう"の演技を、スケートを、氷上で必死に滑るその姿を見た。


アイスリンクを削るその足捌きを聞いた。


動画を見終わったあと、なんだかわからないが涙が溢れていた。

なんでこのオタクしかいないニコニコ動画でスポーツ動画なんかが、と思っていたが、あれはスポーツではあるが芸術の枠組みに則していた。


その日から私は"はにう"に敬意を抱くこととなった。

 

 

こちらがその動画である。

≪イタリア語(翻訳付き)≫羽生結弦 2012 世界選手権 FS ニコニコ

https://nico.ms/sm17418574?ref=share_others_spweb

ようつべ

https://youtu.be/i0bCvXHtzx4

 

記事を書くにあたって2012 世界選手権FSを見返しているが、もう言いたいことが沢山ある。

(このプログラムは3曲がメドレー形式で繋がる構成となっている。急緩急で楽章ぽいから1曲目(O Verona)を一楽章、2曲目(Kissing you)を二楽章、3曲目(Escape)を三楽章と表記してるょ…)


なんだその頭身は!なんで十字を切った!?なんだその覇者みたいなポーズ!手袋をしたしなやかな指先が美しい、柳眉が美しい、ワックスで整えられた黒髪の流れが美しい、冗談か?二次元から出てきたのか?

なんだその音ハメは!?

冒頭の尊いソプラノから始まり目立つ低音のタイミングで両手が90度になるところがかっこいい、腕から指先に至るまでの表現力が凄まじい、何か重々しいものを背負っているような、そのようなものを彷彿とさせる演技じみた両腕、着氷時にスパーンと弾ける足先、

そしてKissing youの緩徐楽章に入った瞬間動きがガラッと変わる。

 

音楽は鳴りを潜めただただ氷を切る音が響く。

先ほどとは違い優雅に、軽やかに舞うはにう。観客は釘付けになり、拍手が起こる。曲の盛り上がり。そしてまさかの転倒。

 


エェーっ!!!!!!

えェっ〜…………

 


そんな転び方します!??!?

そんな、そんな二次元の、少女漫画みたいな、そんな、そんな、そんな耽美な転び方します!?!?

CLAMP!??!?!?

眼前でCLAMPが巻き起こったことに理解が及ばず、3回ほどリピート再生して次に進む。もう既に結構疲れている。しかし私よりはにうの方がヘトヘトなのは先ほどの転倒からも明らかである。すまん…


そしてこのCLAMP転倒大マジックにかかった観衆たちは先ほどより大いなる声援を送る。そりゃそうだ、だってあんまりにストーリーとしてデキすぎている。もはや魔法である。たまげたなあ…


そしてイナバウアーの後の撫でるような掌の動き。


えっ…………

耽美すぎ…………………ウソ……….

 

全くもって嘘のような鬼耽美加減に目眩がする。もはやチラと見えるつむじが、生え際が、スパンコールの煌めきが、何もかもが美しい。クスリである。私は彼の鬼耽美にやられて死んでいくのだ。


そして-4:54。緩徐楽章から最終楽章に至る橋渡しの部分。

弦楽器が上行系のトレモロを奏で、その緊張感と共にはにうのスピン、そして、


・手を挙げ、

・吼える


吼える!?!???!?!???!?


スケートなのに!???!?!?なんで!?!?!?


ていうかこの手の挙げ方、見てよ‼️(タメ口)

絶対に重々しいものを背負っているし、天への道ゆかぬ思いを、慟哭を!慟哭である。

 

慟哭を表現している。

 


表現している、否、慟哭そのものである。

 


全ての苦しみから生まれた叫びである。もうロミオとジュリエットとかいう主題の範疇を超えている。これは疲れた体で怒涛のステップシークエンスにこれから突入する彼の、昨年被災した彼とそして数多の人々の、演技を見ている観客の、中継を見ている世界の、


全てに同調した叫びである。

 

たまげたなあ…


ここで終わりたいくらいだが、また第3楽章が素晴らしい。

先ほどのぶったまげ慟哭から即突入するステップシークエンス。

ウワア!!!!(恐怖)

 

鬼神…………………………?

 

冗談じゃない。冗談じゃありませんよほんとに。DAMAGE的なエピックオーケストラ(草)にありがちな激しいリズムに寸分違わず合わせてくるその神経。感服……….素敵…fabulous…

もう言葉はいらない。もはや言語化することがおこがましいし、無理では??(困惑)


まるで不死鳥、鳳凰のような舞である。こんな稀代の天才を生んだ羽生家には土下座して感謝をしなければならない。なにしろスケートを滑ったことで彼の正体が鬼神であることがバレてしまったのだから。私たちには天上の煌めき巫女の舞、または竜神の闘いに見えていても本人にとっては何てことない、鬼神なので。

多分私が演技後インタビューで彼に「鬼神だったんですね。笑 驚きました。」とマイクを向けても「あ、分かっちゃいました?そうなんです。バレちゃいましたね。笑」

とにこやかに答えてくれる。きっとそうだ。そんな気がする。

きっとスケートが好きで、彼のスケート人生に与えられた人生命題をその時点時点で全うしているだけのことであろう。

しかしその人生の煌めきが私たちを生かしていますよ。ありがとう、羽生家。

 

たまげたなあ…(2回目)

 

そして最後のビールマンスピンビールマンスピンドミナントになりソプラノは導音を奏で盛り上がりが最高潮に達するところ。


いやあ………

白鳥?


白鳥ですね。間違いない。今までの全ての演技の"タメ"をこのビールマンに集約し、解き放つ。そんな印象を覚えますね。

そしてまたビールマンが解除された後の心臓を引き寄せる(?)?ような仕草。両手を大きく広げ決めポーズ。


いやあ……………………………… 

 

凄まじいモノを観てしまった。本当に。

リンクの傍らで見守っていた阿部コーチがプー片手に涙を拭うのも良い。さっきまで鬼神だったはにうが人間のはにうに戻って親しげな笑みを浮かべているところも良い。

ああ、人の子だ…と安心するので。


着地点が分からなくなってしまったが、この時点のはにうは美青年か美少年かと言えば美少年よりのようである。まだ20にも満たない、瑞々しく、麗しい概念である。

近年オリンピックで一躍有名となったはにうの"SEIMEI"では、また違ったはにうが拝める。"SEIMEI"のはにうは、美少年か美青年かでいうと美青年よりの美青年である。ジャンプのブレは無くなり、年端のいかぬ少年の儚さは影を潜め、安定したスケーティングが拝める。次回ではこの"SEIMEI"中心にこのはにうを取り巻く美青年ファンタズムの真相を明らかにして行こうと思う。

 

敬具

 

蒼い炎 / 羽生結弦 【本】

価格:1,540円
(2020/5/4 16:45時点)
感想(1件)

【送料無料】羽生結弦「進化の時」(Blu-ray)/羽生結弦[Blu-ray]【返品種別A】

価格:9,680円
(2020/5/4 16:42時点)
感想(4件)